物件の付加価値をつける

更新日: 2021年9月4日

こんにちは。
不動産の林田商事 林田でございます。
当社ブログをご覧頂きありがとうございます。

今日は新型コロナワクチンの1回目の予防接種に行ってきました。
周囲の方々から、腕が痛かったとか・・・。高熱が出たとか・・・。いろいろお話は聞きましたが、今のところ大丈夫そうです。
念のために今日はできるだけ外出を避けて、デスクワークを頑張りたいと思います。

さて、先日ハトマーク支援機構と「地域未来創造大学校・次世代まちづくりスクール(まちスク)」の共同Webセミナーに参加させて頂きました。
とても興味深い内容でしたので、今日はその事をちょっとブログに書かせて頂こうと思います。

『物件の付加価値をつける』というテーマーで、株式会社スペースRデザイン 吉原 勝己 氏のセミナーでした。

スペースRデザインさんと言えば、業界では有名な会社ですね。
築古物件のリノベーションを早い時期から手掛けられた会社で、福岡ではリノベーションのパイオニア的な存在と聞いております。
過去に、ある団体でオーナーセミナーを開催する際に、講師として熊本に来て頂いた事もあります。
また、プロパティーツアーとして、スペースRデザインさんが手掛けられた福岡の有名なリノベ物件である『山王マンション』や『冷泉荘』を見学させて頂いた事もあります。
私自身、築古物件のリノベーション等については正直あまり得意な分野ではありませんが非常に興味深い分野ではあります。
今回のセミナーも非常に楽しみにしておりました。

今回、久留米にある『コーポ江戸屋敷』という物件の事例をお聞きする事ができました。
RC造 築42年 4階建 エレベーターなし 3DK 16戸×3棟 計48戸 団地型の賃貸物件・・・。
リフォーム、収益改善、入居者募集etc… 思いつくだけでもまあ大変だろうな~という印象です。
この物件をリノベーションして『経年劣化』⇒『経年優加価』という考えが素晴らしいですね。

外観、共有部分は皆さんが利用されるスペースで物件の印象を大きく左右する部分です。
階段、共有廊下の痛みが著しく、放置自転車等があった為、見た目でメンテナンスの悪い物件であるイメージを持たれてしまいます。
その部分はまずは最初に改善されたそうです。

室内のリノベーションは写真を拝見しましたがお洒落に仕上がっておりました。
しかし、エリア的にリノベーションをしたからと言って、家賃をアップさせる事が非常に困難だそうです。
というのも、福岡市内と市場規模が異なり、賃料をローンの支払いにあてれば同額程度で新築が購入できるそうです。
そのような理由もあり室内のリノベーションは効果的ではなかったそうです。
熊本でも同じようなエリアはありますね・・・。ライバル物件が同じ賃貸物件だけでなく新築物件購入になるんですね。

スペースRデザインさんのセミナーでいつも感心するのが、建物のリノベーションだけではなく、その後の取り組みが素晴らしいです。
今回の『コーポ江戸屋敷』では、物件を学ぶ場として提供してカレッジを開催したり、入居者同士のコミュニテーとしてベランダ部分にゴーヤを植えてグリーンカーテンを作るイベントを企画したり、そこで出来たゴーヤを調理して食すイベントを企画したり・・・。建物を利用したコミュニティの構築がとても上手ですね。
建物へは『場のデザイン』→入居者へは『時間のデザイン』→入居者同士へは『場と時間のデザイン』→地域へは『場と時間とまちのデザイン』
建物をリノベーションして終わりではなく、物件に付随するコミュニティこそ、この物件の付加価値なんでしょうね。

今回もそうですが、以前ベンチマークをさせて頂いた物件もそうでした。
物件をリノベーションをする際に入居者→入居者同士→地域(まち)のコミュニティを大事にされています。
実際に行うと凄く大変で時間もかかるかと思います。当然、最初からすべてうまくいく訳ではないかと思います。
ただ、物件にコミュニティが確立されると、その物件の大きな付加価値となるのでしょうね。

当社ですぐに同じような大がかりな取り組みはできないかもしれませんが、部分的に見習う部分があると思いますし、考え方としては参考にさせて頂きたいと思いました。
できる事からコツコツ頑張りたいと思います。

林田商事株式会社
林田 隆志