こんにちは。
不動産の林田商事 林田でございます。
当社ブログをご覧頂きありがとうございます。
今日、仕事の合間に母が珍しく雑誌か何かを読んでるようだったので、何を読んでるのかな～？と漠然と思っておりましたところ・・・
いきなり母から『あんた、任意後見制度って知ってる？』言われたのでちょっとビックリしてしまいました。
私も少なからず相続の勉強をしているので、『任意後見制度』の概要程度は分かります。
何かの文章を読んで、将来的に自分が認知症になってしまったらどうしよう！と思ったのでしょうか？
母も70歳を過ぎてますので、今後の事を母なりに考えているんだろな～と思いました。
そんな事がありましたので、今日は『任意後見制度』についてちょっと書きたいと思います。
『任意後見制度』皆さんはご存じでしょうか？
よく知らないけど、聞いた事はあるという方も多いのではないかと思います。
簡単に言うと、将来的に自分の判断能力が不十分になった場合に備えて、判断能力があるうちに、身の回りの事や財産管理等について、誰にどのように支援してもらうのかを予め決めておく事ができる制度です。
今は大丈夫でも、将来的に認知症になってしまったり、脳梗塞等の大病や事故等で急に判断能力が不十分になってしまうリスクは誰にでもあるかもしれませんね。
ただ、この制度を利用する方の大半は認知症対策かと思います。
厚生労働省の統計を見ると65歳以上で認知症の割合は推定15％だそうです。
そして、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると予想されています。もう他人事ではありません。
医療等の発達で長寿になる事は嬉しい事ですが、その反面、認知症の数は増えていくという事でしょうね。
人口減少や高齢化と同じように認知症の増加もおおきな問題となってくるのではないかと思います。
我々不動産業者の目線で言うと、不動産のオーナー様が判断能力が不十分と判断されていまった場合、基本的にはその不動産の売却はもちろん、賃貸借契約を締結する事もできません。
そうなると、不動産を活用した資産運用や相続対策等もほぼできない状態になるかと思います。
例え、配偶者やお子様等が望んでも、第三者から見て本人の為になると思われる案件であっても、基本的には実行する事は難しいと思われます。
これは本人や家族にとっては大きなリスクになりますね。
本人が元気なうちに、もしもの時は『誰に』『どんな事を頼むか』自分で決めておけるというのが、この『任意後見制度』になります。
ちょっと実務的なお話をさせて頂くと、『任意後見人制度』を利用する場合・・・
本人が判断能力があるうちに、依頼するご本人を『委任者』、引き受ける方を『任意後見受任者』（後に、任意後見人）として『任意後見人契約』を公正証書で締結する必要があります。
本人が自由に受任者を選任できる点や、契約内容が登記されるので受任者の地位が公的に証明される点等がメリットとしてあげられるかと思います。
逆に、デメリットとしては、死亡後の委任をする事ができない点や、法定後見制度に認められて取消権等は任意後見制度では認められない点等があげられます。一長一短ありますね・・・。
認知症の対策や対応には、他にも『法定後見人制度』や『家族信託』『財産管理委任契約』etc…いろんな方法があるかと思います。
費用や手間、時間、メリット、デメリットも様々です。
本人のお考え、資産状況等に応じて適切な方法を慎重に選択する必要があるのではないかと思います。
大切な家族に迷惑をかけない為にも、一度真剣に考えてみると良いかと思います。
母も今は元気に会社にも出てきてくれていますが、我が家も他人事ではありません・・・。
近いうちに母とは今後について話し合う時間を設けたいと思いました・・・。
林田商事株式会社
林田 隆志
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